「白鳥の湖」の裏側で起きていた事

第11回エンジェルコンサートの「音楽物語」は、『白鳥の湖』でした。
舞台の上では、美しい音楽と物語が流れていましたが、
その裏側では、本当に沢山の出来事がありました。
まず、ステージでもお話したとおり、
悲しい結末のお話をコンサートに持ってくるかどうか、
かなり悩みました。
実は、最初は違う物語を予定していたくらいです。
でも、
私自身が心を打たれた、あの切なく美しい『白鳥の湖』を、
レッスン生の皆さんと一緒に作り上げることには、
これまでの楽しい物語とはまた違う、
大きな意味があるように感じ、
最終的に『白鳥の湖』に決まりました。
メンバーが決まり、
役どころが決まり、
その子に合わせた曲目、舞台脚本、
そして一人ひとりの細かな動き…。
音楽物語には、
毎年本当に沢山の時間をかけています。
今回はこれまでと違い、
スライドの絵も「絵本風」から「絵画風」へ。
より物語の世界へ引き込まれる舞台になったと思います。
ですが、
脚本を少し変更すると、
それに合わせて画像も修正しなければならず、
微調整は本番前夜まで続いていました。
今回は娘が途中から編集を手伝ってくれたこと、
そして、本番直前まで変わり続けたスライド転換を、
見事に成功させてくれたA君の存在に、
本当に助けられました。
そしてもう一つ、
今回の大きな出来事が、
受験のため参加を見送っていたSちゃんが、
急遽「オディール」として参加してくれたことです。
今回のキーパーソンとなる、
白鳥の姫「オデット」と、
悪魔の娘「オディール」。
物語の中では、
“そっくりな二人”という設定でもあり、
白鳥の湖をやると決めた時から、
「SちゃんとMちゃん姉妹で出来たら素敵だな…」
と思っていました。
そのため、
Sちゃんが不参加と聞いた時は、
内心かなり残念でした。
そこで、
オディールは“妖艶な存在”として、
スライドのみで登場させようと考え、
準備を進めていました。
ですが、
1回目のステージリハーサルを終えた時、
「やはりオディールが実在しないと、
物語が伝わりにくいかもしれない」
という話になり——
Sちゃんにオファーしたところ、
「出たい!弾く曲もあったら嬉しい!」
と、まさかの即答。
そこから一気に、
あの舞台演出へとバージョンアップしていきました。
この大きな転換をスムーズに進められたのも、
エンジェルトーンへ9年間通い続け、
音楽物語の空気感を深く理解してくれているSちゃんだったからだと思います。
急遽の参加にも関わらず、
オディールとしての存在感は本当に素晴らしく、
舞台に現れた瞬間、
物語がぐっと引き締まりました。
そして、
オデット役のMちゃんとの姉妹ならではの空気感は、
私が思い描いていた以上に、
『白鳥の湖』の世界を深く作り上げてくれました。
昨今、
教室のある犬山市でも、
学校行事の形は大きく変わってきました。
以前のように、
体育館の舞台で演劇を作り上げ、
みんなで一つの作品を表現する機会は減り、
今は、
グループで作った資料を、
教室でプレゼンテーションする形へと変化しています。
もちろん、
それも大切な学びです。
ですがその一方で、
子ども達が、
「何かになりきること」
「感情を表現すること」
「舞台の上で演じること」
そんな経験をする機会は、
少なくなってきているように感じます。
だからこそ私は、
芸術を“鑑賞するもの”としてだけではなく、
“自分から発信できるもの”として、
子ども達に感じてほしいと思っています。
せっかくピアノ教室なのですから、
そこにピアノの音を重ね、
クラシックの物語を添えて——
子ども達が、
新しい表現の方法に出会い、
心が躍るような感動を感じてくれていたなら、
この「音楽物語」は、
大成功なのです。


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